春が来ても寒い日が続き、あっという間に夏になる。
秋が来ても過ごしやすい間はあっという間で、すぐに寒くなる。
日本には四季があると言え、春と秋の存在感は薄く、二季しかないのでは?と思うことも少なくない。
そんな暑さと寒さが極端な土地で、快適な服を着るというのは生活の質を上げるのにプラスにはたらく。
少し前からスポーツミックスやアウトドアミックスなスタイル(スポーツウェアやアウトドアウェアの要素を取り入れた服を着ること) は、そんな気候で暮らす私たちにピッタリなのではないだろうか。
そういう流れを汲んで、最近のアウトドアウェアではいくらかカジュアルに寄せたような服も出てきている。
今回はそういうアウトドアミックスな服の着こなしについて紹介したい。
気温の変わりやすい山で行動するための服は、重ね着が基本である。
普段の日常生活でも、昼と夜、建物の中か外化でだいぶ気温は変わってくる。
そういった気温の変化に対応するための重ね着である。
重ね着の基本は ①ベースレイヤー(下着)②ミドルレイヤー③アウターだ。
一つずつ見ていこう。
①ベースレイヤー
要するに下着である。
汗冷えしないため、汗の乾きやすい化学繊維を使ったものが基本となる。
有名どころでいうとユニクロのヒートテック、Mont-Bellのジオラインがある。
繊維は身体から出た水蒸気を吸うことで発熱する。
水を吸いやすいレーヨンを混ぜることで発熱性能を上げたのがユニクロのヒートテックだ。
一方、特殊な化学繊維を糸を使うことで吸湿速乾性を高め、保温性の高い編み方をしたものがジオラインになる。
化学繊維は(油が水をはじくように)吸水性を持たないので、乾きやすい。
一方で、発熱性は高いが吸湿性も高いヒートテックは一度濡れると乾きにくい。
汗冷えのリスクがあるため、山へいく人にヒートテックは評判が悪い。
実際ヒートテックを着て運動をすると暑すぎて汗をかく。
ただ街着で使うのには全く問題ない。
最近ではメリノウールを使った高機能インナーも出てきている。
ウールは発熱する繊維だ。
なおかつ、乾燥しているときには繊維が吸湿し、湿潤な時には吸湿しないという特性を持つため、汗を一定以上に吸わない。
なおかつ、繊維事態に嵩があり、暖かい空気を逃がさない。
このように、発熱性+透湿性を持つウールはヒートテックと化繊インナーのいいとこどりができるというわけだ。
(ちなみに、衣類に使われるのはすべてメリノ種なので、メリノウール=高級なウールという認識は誤っている)
上記の通り、ウールを使ったインナーは高機能だが、一つデメリットがある。
他のインナーと比べると高く、耐久性が低いのだ。
洗ったセーターが縮むように、ウールは使っていくうちに目が詰まってしまい、縮んでしまう。
また、他の繊維と混ぜたものは毛玉が起きやすい。
高価なウールのインナーを常用するのは避けて、ここぞという時だけにしておこう。
私はヒートテックを普段着、ジオラインを自転車用に、それに加えてPatagoniaの高級インナー、キャプリーンをここぞという時だけに使う。
②ミッドレイヤー
一番の悩みどころで、センスが試されるポイントである。
・スウェットジャージ
フードがついているとアウターと干渉するので、上に何か着るならフードがついていない方がいい。
ヘビーウェイトな生地が好みならCamber
個人的にはCampionより断然生地感が好み。
ちょっと高いけど高品質な、ColdwinのMXP
お手頃価格で米軍御用達、Hemingway Apparelのサーマル。
・シャツ
キレイ目に着るならシャツを。
ただ、インナー+シャツだと少し寒く、インナー+セーターだと少し暑いような…
最近よく目にするようになったIndivisualized shirts
Northface standardのシャツ
アークテリクスのシャツ
Taylor Stitch
Taylor Stitch Shop | Huckberry
・ベスト
体幹を冷やさないために、シャツの上からどうぞ。
定番のレトロシリーズ
スマートなナノエア
Mont-Bell
・フリース
水を吸わず保温性があるのでアウトドアの定番ですね。
PatagoniaのR2
安価で厚すぎない、North Faceマウンテンバーサ
③アウター
・マウンテンパーカー
山へ行くなら防水のウェア一択ですね。
アークテリクスの定番モデルBeta SL
ミドル丈で軽量なので秋から春まで3シーズン使えます。
Gore-Tex Proを使用したアークテリクスの高級モデルBeta AR
どのブランドの物を買っても3万円くらいするので、吟味していいものを買いたいですね。
安いのならPatagoniaのトレントシェル
若しくはMont-Bellのサンダーパス
・シャカシャカ
防水とまではいかないけれど、撥水加工のされた防風ジャケット。
防風ってだけでだいぶ暖かく、防水シェルより生地が柔らかいので自然に着られます。
Milletのビオナセジャケットが一押しです。
North Faceも似たのを出してますが、Milletの方が安いです。
高価格帯の揃うアークテリクスで比較的お手頃なスコーミッシュ
・ダウン
水には弱いので山ではフリースが主力ですが、保温性は最強です。
デサントの高級ライン、オルテラインの水沢ダウン
North Face×Supreme
大人気、Patagoniaのナノエアシリーズ
シュラフメーカーNangaのダウン。
着る毛布みたいなものですね
・フリース
厚手なフリースはアウターにしてしまいましょう。
Milletのグリズリー
ヘリーハンセン
以上、ご参考になれば幸いです。