ダウンから化繊へ、Gore-texからGore-tex Infiniumへ…

これは私のエッセイで、徒然と私のアウトドアウェアに関して書いているだけで、根拠も何もないことを先に断っておきます。

 

 

 

 

最近、ACRONYMというブランドのJ68-PLというジャケットを買いました。

Gore-tex Infiniumのアウターに化繊の中綿を詰めたジャケットです。

 

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私はハイスペックなアウトドアウェアが好きで、暇があればアウトドアショップで最新のアウトドアウェアを見るようにしています。そんな私でも、アウトドアウェアの最高峰がACRONYMであることに全く異論はありません。

 

 

そもそも、服にはそれぞれ由来というか背景があります。

一番わかりやすいのはミリタリー用途でしょうか。MA-1やN-3B、M-51(モッズコート)などは出自が軍でありながらも普段着として確かな地位を占めています。

 

スポーツでいえば、スケートボードとバスケットボールでしょうか。

個人的にこれはナイキの影響が大きいと思っているのですが、スケボー用の靴やバスケシューズを普通に街で履いているのは本来かなり違和感を抱くことだと思います。

adidasだとフットボールの方が強いかな?

 

最近だとこれが登山(WHT MTNG, HYKE, TNF他)、釣り(Needles, Daiwa)、キャンプ(Snow Peak)へ広がっており、新たな用途の服が街に受け要られている状況です。Monclerのバックグラウンドが登山ということからも、アウトドアウェアがいかに街に受け入れられているかがわかると思います。

 

 

 

その中でACRONYMは武術をバックグラウンドとした機能的ウェアです。

ACRONYMはドイツを拠点にする伝説的デザイナー、エロルソンヒューによるものです。彼はStone Island, Tilak, Arc'teryx Veilance, Nike ACGといった名だたるブランドの基礎を築いた天才的なデザイナーです。Stone Island,はイタリアのスポーツウェアブランド、 Arc'teryx Veilanceはアークテリクスの街着ライン、TilakとNike ACGは登山ウェアですね。

 

 

そんな彼が唯一運営しているブランドがACRONYM

様々なブランドのデザイナーを務める彼は、ACRONYMにおいて常に最高の素材を使って最高のウェアを常に生み出しています。

 

ACRONYMではGore-tex Proを使用したアウターが有名でしたが、2020年に発売されたJ68-PLはGore-tex InfiniumにProma Loft、しかも従来のチェコ製ではなく中国製という大きく方向性が転換されたウェアになります。

 

 

 

 

果たしてこれは妥協なのか?

 

そう考えたのが今回の記事の起点です。

 

 

 

 

私はそうは思いません。

 

 

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私は、登山ウェアは既に一つのサミットに到達していると思います。

Gore-tex Proのアウターの下にダウン、その下にフリースか機能性のインナーを着れば荒天の雪山以外は対応できます。

 

これが登山ウェアにおける一つの到達点です。

 

 

しかし、Gore-tex Pro(Activeも含む)はシャカシャカしていて着心地がそれほど良くありません。また、生地の伸縮性はほとんどありません。

 

様々なアクティビティに使われるウェアの生地のトレンドとして、弱ストレッチがあります。これはNIKE, adidas. Uniqro等で顕著だと思いますが、記事にポリウレタンを混ぜたり、捲縮のある糸を使ったりすることで”ちょい伸び”の生地を作ろうというものです。伸びのないGore-tex の防水生地はこのトレンドから外れていました。

 

そういった状況で出てきたGore-tex Infiniumは、防水性はないもの、生地表面の微細な起毛による撥水性、ストレッチ性を備えたものです。正直山で着なければこのスペックで十分だろう、ということだと思います。私もそう思います。

 

私は田舎・都会両方で過ごしていますが、田舎では大抵車で移動するので雨に長時間さらされることはなく、都会では電車やバスが充実しているのでこちらも長い間雨にはさらされません。なので、街着ではそこまで高い防水性能は求められていません。

 

それよりは、動きやすいストレッチ性のある生地の方が優先度が高い人の方が多い。

そういった流れからGore-tex Infiniumが生まれたのだと思います。

何より、防水のGore-tex よりInfiniumの方が圧倒的に安い。

 

 

 

同様のことがダウンにも言えます。

正直、ダウンは暑すぎる。

 

店内や車内でダウンを着ていると、暑さを感じる場面の方が多いように思います。

厚手ダウンほどの保温性がどこで必要なのでしょうか?

正直Atom AR(化繊中綿ウェア、400g)でも冬のスキーを十分こなせます。

 

保温性において、ダウンはオーバースペック過ぎる。

 

 

Gore-texGore-tex  Infiniumへダウングレードしたように、ダウンもそのスペックを下げても大丈夫なように思います。保温性は化繊でも十分になってきています。化繊は気軽に洗えますし、何より安い。

 

今はPrimaloft 一強ですが、東レあたりに頑張ってこの商権を獲ってほしい

ユニクロのウルトラダウンにそろそろ引導を渡すべき時期なんじゃないでしょうか?

 

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以上の理由から、ダウンは化繊へ、Gore-texGore-tex Infiniumへ、世代交代が進んでいくと思います。そのなかで 化繊はPrimaloft と東レ帝人がそれぞれ別ブランドをおしだしてせめぎあい、そのうち帝人あたりが最初にリサイクルポリエステルを使った中綿を出してくるでしょう。

 

弱ストレッチの撥水生地はやはり東レユニクロラインが強そう。

ユニクロサプライヤーを買いたたく能力も高そうですし。

 

おっと。

 

 

 

何より両方とも気軽に洗えるって言うのが良いですよね。

ダウンはなかなか洗おうとは思いませんし、Gore-tex も洗濯機で洗うのは少しためらわれます。

 

私はGore-tex InfiniumとPrimaloft を組み合わせたAcronymのジャケットを非常に気に入っています。生地は細い糸を使っていて高級感があってしなやか、ドレープ性もある。中綿は十分に保温性があり、しかも気軽に洗うことができる。

 

高いユーティリティを備えたウェアが流行る時代がすぐに来るでしょう。