Uber Eatsと出前館、どこでその差がついたのか

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Uber Eatsと出前館、両方とも注文するのに使ったことはないのですが、ドライバーとして仕事をしてみて感じた圧倒的な差がありました。

 

まあ結論から言うと、Uberの本質は配車サービスであり、出前館とは配達員に対する扱いが異なります。その扱いの差が、出前館Uber Eatsの業績に圧倒的な差をつけられているように感じます。

 

出前館が負けているのはユーザーの数や広告の質ではなく、”配達員への”サービスであると気付くべきです。こんな会社がいくら広告費に金をつぎ込んでも黒字になるはずもなく、そのうち上場廃止まで追い込まれるんじゃないかと個人的には思っています。

 

 

 

 

 

Uber Eatsと出前館で大きく異なるのは、Uber Eatsは「飲食店が料理ができた時点で配達員を呼ぶ」のに対して出前館は「消費者が注文した時点で配達員を呼ぶ」システムになっている点です。

 

なのでUber Eatsは店に到着してすぐに料理をピックアップできますが、出前館は早くても5分、長いときは30分近く店で待たされます。

 

配達単価のベースが300円のUber Eatsに対し、出前館は大体600円台がベースになっていますが、実際配達してみるとUber Eatsの方が圧倒的に稼げます。出前館は店で死ぬほど待たされるので実際の配達数はかなり少ないです。

 

また、Uber Eatsはユーザー数が多いので注文が頻繁に入ってきますが、出前館はユーザー数が少ないので注文がほとんど入ってきません。また、出前館は時給で仕事をしている配達員もおり、(なるべく彼らに配達をさせた方が得なので)「1件当たりいくら」で配達する配達員へのオーダーは優先されません。そういう理由もあって、出前館は1件あたりの報酬は高いくせに、全然オーダーが入らないので稼げません。

 

アプリの操作感にも大きな差があります。

アプリから直接Google Mapのナビが始まるUber Eatsに対し、出前館はいちいち入力しないとナビが始まりません。Uber Eatsのアプリはその辺の作りこみがしっかりしており、スムースに配達が行えました。

 

Uber Eatsは通常で時給が1400円~2000円くらい行きますが、出前館は1000円前後が限界です。

 

 

 

最近は出前館がプロモーションを打ちまくってユーザー数を増やしたり、配達員の1件当たりの報酬を増やそうとしていますが、それで上記の問題が解消されるわけではありません。

 

まず、時給制で働く出前館の配達員は、Uber Eatsより時給が安いことに気付いて次第に辞めていきます。東京でこの時給は安すぎでしょ。

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次に「1件当たりいくら」で働く配達員も稼げないからと辞めていきます。

 

そうすると配達員が不足するので、出前館は1件当たりの報酬を増額して配達員を増やそうとします。すると、結局料理を注文する人の負担額が増えます。Uber Eatsが1件300円~800円くらいなのに、出前館は1件650円+4割増額で910円くらいです。

出前館の方が割高になるのでユーザーがUber Eatsへ流れます。

 

そうするとさらに配達員が稼げなくなる、というサイクルに陥ります。

なので頑張って広告や割引のプロモーションを打っていますが、根本的な原因が理解できていないので虫の息なのが出前館の今の状況です。

 

 

配達員にUber Eats同様に稼げる状況を準備できなければこの状況からは抜け出せないでしょう。そのためには、配達アプリの仕様を見直すことが最も有効だと個人的には思います。もう手遅れかもしれませんが。