キャンプについて、私はそのジャンルを目的に分けて大きく3種類に分けられると考えています。同じキャンプでも目的が異なれば、必要な装備は全く別物になります。キャンプを始める方はその大きな分類を意識していないと全く方向性がつかめないと思いますので、自分なりの整理もかねて、そういう方々のために今回記事を書きました。
日本キャンプ協会のサイトでは、キャンプを個人的なものと、集団的なものの二つに大別しています。個人的に行うキャンプと、教育的な目的(集団行動を身に着ける目的、など)をもって行う集団的なキャンプの二つです。
今回は集団的なキャンプを取り上げず、個人的なキャンプに焦点を絞って話します。
登山を目的としたオーソドックスなキャンプ
私の中でキャンプと言えばこれです。縦走(山から山へ尾根を伝って歩くこと)や日帰りできない山を訪れる際に途中で幕営することですね。
大きな特徴は、①急激な天気の変化にも耐えられる装備と、②余裕を持った食料を、③自分の脚で担ぎ上げることです。
山でのキャンプには、強風や、急激な天候変化に対応できる装備が必須です。また万が一、山で怪我などをした際に余裕を持って下山できるよう、食料も余裕を持って持っていかなければなりません。その一方で、全ての荷物を自分の脚で担ぎ上げる必要があり、むやみに荷物を増やすとツラくなります。なので、装備を厳選して選ばなければいけません。
テントは風に強くて防水性の高いもの。
シュラフ(寝袋)は保温性が高く、軽くてコンパクトになるもの。
コンロは風に強く、コンパクトなもの。ガス缶も低い気温で使えてコンパクトなOD缶
が選ばれます。
食料は常温で持ち運べ、簡単な調理で済み、重量が少ないフリーズドライを。
特徴として、信頼性の高い装備を選ぶと結構値段が張ります。また、食事が簡易的になりがちです。そして、これらの装備はそのまま防災にも使えますね。
週末の別荘としてのキャンプ
今流行っている一般的なキャンプはこちらに該当します。
車を使うのが一般的なため、自分の脚で装備を担ぎ上げる上記のキャンプとは違い、荷物に大きな制限がありません。
私は屋外に別荘を作るものだと考えています。
テントは重量があっても広々としたものがよく使われます。靴を脱いで入るテントか、フロアレスのパップテント(軍用幕)がメジャーかと思います。
テントのほかに、日よけ・雨除けのためのタープが使われることが多いですね。
パップテントはテント自体がタープの機能も兼ねていたりします。
寝袋はコンパクトである必要がなく、冬でなければ対応温度も低くなくてよいです。
何なら家からそのまま普段使っている毛布を持って行っても問題ありません。
簡易別途であるコットを使うとより快適に寝られるかもしれませんね。
椅子やテーブルも大事です。
コンロは大きくても問題なく、そのほうが料理が楽です。ガス缶も安価なCB缶(カセットボンベ)が一般的です。
コンロのほかに、焚き火をするための装備も人気ですね。
調理器具にも制限がありません。ダッチオーブンを登山には絶対に持っていけません…
BBQがメインのデイキャンプも一般的ですね。泊まらないのにキャンプと言ってよいのかは疑問ですが…
ツーリングキャンプ(≒野宿)
そして三つめがツーリングキャンプ。まあ、宿代をケチるための手段です。
交通手段がバイクや自転車というのが一番の特徴です。
標高が低い場所なので登山ほど厳重な装備である必要がありません。
シングルウォールテントは風雨にそこまで強くありませんが、コンパクトで軽量です。
(下のクロスオーバードームは畳むと500mlペットボトル並みのサイズで、700gしかありません…)
何なら道の駅でこっそり寝るので、テントはなくても何とかなります。
気温が低くなければ寝袋は必要なく、ビビィやインナーシュラフで寝られます。
食事はスーパーで買ったり、外食で済ませるので調理器具はなくても大丈夫です。
調理器具が壊れても死ぬわけではないので、中華の安いストーブでもいいです。
このように、キャンプは用途別に装備が大きく異なってくるため、目的を明確にしておくことが重要です。登山用の装備はアクティビティ的なキャンプに使えますが、逆はなかなか難しいものがあります。また、ツーリングキャンプの装備で登山をすると一定のリスクがあります。
ぜひこの記事を参考に、それぞれの用途に応じた装備のそろえ方をしてくださいね。