はい。
宮之浦岳のピークを取るだけならピストンすれば日帰りで往復できてしまうのですが、せっかく屋久島に来たわけなので縦走してみました。
装備は基本的に以前ブログ記事にまとめたものと同じですが、シュラフを持っていかず、ビビィとインナーシュラフのいつもの組み合わせを持っていきました。夏の雲ノ平と冬の屋久島の気温で大差なかったので、これでいけると判断しました。というより、着替えが意外とかさばってシュラフがバックパックに入りきりませんでした。
【1日目】
この日は移動日。
飛行機が意外と小さくて、風で揺れます。
この日、屋久島は風速20m/sとのことで、強風で着陸できない可能性もあるとアナウンスがあり、実際着陸時はかなり揺れたので怖かったです。
13:05 屋久島空港に到着。空港が想像の1/5くらいのサイズで驚く。
ホームセンターへOD缶とライターの買い出しに行く。ついでに軽く食糧を買い足す。
14:30のバスで宮之浦港へ。15:30のバスで宮之浦港から白水雲水峡へ移動。
16:05 白水雲水峡 到着。
歩くこと30分ほどで白谷小屋に到着。今日はここに泊まります。
白谷小屋には誰もいませんでしたが、時折カタコト音がするのでビクビクしながら夕飯を用意します。
夕飯はアルファ米と屋久島のスーパーで買った真空パックの和牛炭火焼き。美味い。
小屋には水が勢いよく沸いていましたが、飲用との表示がなく、ビビりながら飲みます。
この日は19時に就寝。
【2日目】
19時に寝たこともあり、2時に目が覚めて二度寝、3時にも目が覚めて三度寝、4時過ぎに再度目が覚めたので起きる。
朝飯はいつものお茶漬け、お湯を沸かしてアルファ米を戻し、そこへお茶漬けの素をぶち込む。
5時前には片付け、荷物をパッキングして出発。この日の日の出は6時50分頃で、まだ真っ暗です。
暗い中、辻峠(標高900m)を越え、道がV字にカーブしているところで迷いながらも沢沿いのトロッコ道に出る。6時ごろに軽装な女性に追い抜かれる。荒川登山口からの登山者か?まだ薄暗い時間帯にライトをつけておらず、急に真後ろに現れたのでビビり散らかす。怖いわ。
トロッコ道が終わるころには日が登りはじめ、明るくなっていくなかウィルソン株・縄文杉へ。両方とも見たけれど特に感動する感じではなかった。
屋久島は火山質(?)の土壌のせいで土壌に栄養が少なく、そういった環境でじっくり育った杉は油分を豊富に含んでおり、江戸時代は建材として重宝されたとのこと。
年貢の代わりになったということで、現代でいえば一本数百万の価値があったのではないかと想像する。
縄文杉を過ぎると本格的な登山道になり、高塚小屋を通過し、新高塚小屋へ。ここが宮之浦岳までの最後の山小屋になるのでゴア上下を着て早めの昼食を食べる。
一応11時までにここを通過できなければ新高塚小屋に泊まると決めていたが、実際は10時に通過できたので宮之浦岳まで行くことに。
新高塚小屋を過ぎたあたりから樹氷が見え始め、地面にも樹木から落ちた氷が見える。
アイゼンを履くほどではないが、上下レインウェアの着用が必要な感じではある。
しばらく歩くと曇ってきた視界が一瞬晴れ、宮之浦岳が視認できた。
これが今回の縦走で一番感動できた景色だ。
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正直、今回の縦走装備を選ぶ中で一番悩んだのがアイゼンを持ってくるかどうかだった。
これまで標高の低い雪山へは3度行ったことがあるが、全てツボ足で登っており、凍結した岩場のイメージがなかった。
結論から言うと、今回は簡易アイゼンであるチェーンスパイクを持ってきて正解だった。というのも宮之浦岳は幅広く岩肌が露出しており、その岩肌一面に氷が張っていて、アイゼンなしでは滑ってなかなか登ることができなかった。チェーンスパイクをつけることで氷壁でもグリップが効き、安全に、というより楽しく登ることができた。
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前日は強風だったが、今日はそこまで風が強くなく、体温が奪われることはなかった。
大きいつらら。
樹氷を楽しみながら、アイゼンを氷壁に噛ませて楽しみながら標高を上げていく。
ヒヤリとする場面は特になく、宮之浦岳へ登頂。
山頂手前で薄いエコバッグを持った、異様に軽装な女性を追い越す。観光客か?新高塚小屋に荷物をデポしてピークを獲りに来たのだろうか。
山頂からの展望はゼロ。天気予報は晴れだったが、標高1000mくらいからガスっていてほとんど何も見えなかった。まあ人生そんなもんです。
山頂では15分ほど休憩(Twitter)し、反対側へ下る。寒いので炭水化物を多めに摂り、発熱を促す。しばらく下ると暖かくなってきたのでダウンを脱ぐ。
持ってくる手袋間違えた。
モアイみたいな岩。
一瞬晴れると展望が良い。
かなり岩肌が露出している箇所が凍結しており、チェーンスパイクで氷を割りながら下る。アイゼンをつけていると雪の付いていない岩肌で滑るかと思っていたが、結構グリップしてくれて歩きやすい。
多少アップダウンはあるものの下り基調で、テンポ良く下っていく。
2時間ほどで花之江河という湿地に出る。泥炭があるとのことで、(ウイスキーの)ピートやんけ、と勝手に興奮する。ここで、山頂で出会った女性に追い抜かれる。
この女性、やけに軽装だと思っていたけど、後で話を聞くと「登山バッグ忘れたからとりあえず車にあったエコバッグ持って登ってみた」とのこと。食糧はなし。「断食は慣れてるからいけると思った」とのこと。
この女性と途中から仲良くなって一緒に下山する。「おなかすいた」とのことなので、補給食のドライマンゴーをあげる。代わりに淀川登山口から屋久島空港まで車で送ってもらえることになった。
淀川(よどがわ、よどごう)はその名に似合わず、非常に澄み切った川だった。
淀川小屋の水場は淀川そのもので、川の水がそのまま飲めることに非常に衝撃を受けた。
お姉さんは家から淀川へコーヒーを飲むためだけに訪れるとのことだった。
淀川小屋から淀川登山口へは30分ほど。下り基調かと思いきやアップダウンだらけで全く標高は減らない。サルを見かけながらもしんどく歩き、淀川登山口へ到着。ゴール。
話を聞いていると、お姉さんは日本最南端の(日本酒の)酒蔵、花の香の社長の妹で、仕事を探しに屋久島へ来たとのこと。「仕事を探しに離島に来るのはどう考えてもおかしいですよ」ってちゃんと伝えました。
日本酒トークをしながら車で下山。淀川登山口は標高1300mあり、下りは長い。
道端にはサルがいて、全く逃げる気配がない。
ラブラブ。
ケツの穴を見せつけるサル、結構いるらしいです。謎。
「新政美味しいよね」とか「日本酒の販路がどうこう」とか「ちゃんと花の香飲んでよね」という話をする。飲みます、ちゃんと。
これ買いました。取り扱いしてる酒屋が少なくて、買うのが大変。
最近美味しい日本酒を探すコツを一つ見つけました。
内緒です。
この日は空港前のホステル『とまり木』に宿泊。ここでもキャラが濃い人が出てくる。
続きは次回、開聞岳編で。